非居住者オーナーにかかる税金は?固定資産税・所得税・源泉徴収
海外在住のまま日本の物件を保有する非居住者オーナーには、居住者とは異なる納税手続きが求められます。主なポイントは固定資産税、賃料収入に対する所得税、そして借主による源泉徴収の 3 点です。いずれも見落とすと追徴課税や実務トラブルに直結します。
押さえておきたい税率
- 賃料の源泉徴収税率
- 20.42%
- 固定資産税の標準税率
- 1.4%
- 都市計画税の制限税率
- 0.3%
一定の例外あり
課税標準額に対して
市街化区域内の物件
固定資産税は誰に届く?
固定資産税は、賦課期日である 1 月 1 日時点の所有者に課税される地方税で、通常 4 月頃に納付書が発送されます。海外在住の場合は日本国内に納税管理人を選任し、その住所へ納付書が届く仕組みを整えるのが実務標準です。納付書が届かないまま滞納となる事態は、これで防げます。
賃料収入の確定申告は必要?
賃料収入への所得税は、日本国内源泉所得として原則毎年の確定申告が必要です。管理費・修繕費・借入金利子・減価償却費など経費控除の設計次第で税負担が変わるため、当初から日本の税理士と経費計上の方針を握っておくことが重要です。
源泉徴収は誰が、いくら差し引く?
見落とされがちなのが源泉徴収です。非居住者に賃料を支払う者には、原則として 20.42% の源泉徴収義務が生じます。ただし借主が個人で、自己または親族の居住用に借りている場合は対象外とされています。契約前に借主・管理会社と「源泉徴収の対象取引か」を確認し、契約書に明記しておくとトラブルを避けられます。
源泉徴収の要否(一般的な整理)
| 借主 | 用途 | 源泉徴収 |
|---|---|---|
| 法人 | 事務所・社宅など | 必要 |
| 個人 | 自己または親族の居住用 | 不要 |
| 個人 | 上記以外(事業用など) | 必要 |
根拠となる法令
- 所得税法 第 161 条
- 国内にある不動産の貸付けによる対価は、国内源泉所得に該当するものとして定められています。
- 所得税法 第 212 条 第 1 項
- 非居住者に対して国内源泉所得の支払をする者は、所得税を源泉徴収して国に納付する義務を負うとされています。
- 地方税法 第 343 条・第 359 条
- 固定資産税は固定資産の所有者に課され、賦課期日は当該年度の初日の属する年の 1 月 1 日とされています。
- 国税通則法 第 117 条
- 国内に住所等を有しない納税者は、納税に関する事項を処理させるため納税管理人を定め、税務署長に届け出るものとされています。
よくある漏れと対策
✕納税管理人を選任せず、固定資産税の納付書が届かないまま滞納になった。
→賃貸開始前に納税管理人を選任し、税務署と市区町村に届け出る。
✕源泉徴収の対象と知らず、借主が満額を送金して後から精算が必要になった。
→契約前に源泉徴収の要否を確認し、契約書に取扱いを明記する。
✕経費の領収書を保存しておらず、控除できるはずの費用を計上できなかった。
→管理費・修繕費・保険料などの証憑を、当初から年度ごとに整理して保管する。
✕減価償却の方針を決めずに申告を始め、初年度から不利な計算になった。
→取得時点で税理士と減価償却と経費計上の方針を決めておく。
保有開始前チェックリスト
- 納税管理人を選任し、届出を済ませた
- 固定資産税の納付書の送付先を確認した
- 源泉徴収の要否を借主・管理会社と確認した
- 賃貸借契約書に源泉徴収の取扱いを明記した
- 確定申告を依頼する税理士を決めた
- 経費計上と減価償却の方針を確認した
- 経費の証憑を保管する仕組みを整えた
よくある質問
- Q. 納税管理人は誰に頼める?
- A. 日本国内に住所を有する個人または法人であれば依頼できます。税理士や管理会社が引き受けるケースが一般的です。
- Q. 源泉徴収された税額は取り戻せる?
- A. 確定申告を通じて、最終的な税額との差額が精算される仕組みです。経費が多い年は還付になることもあります。
- Q. 物件を売却したときの課税は?
- A. 譲渡所得として課税され、非居住者が譲渡する場合は買主による源泉徴収の対象となることがあります。売却前に税理士にご確認ください。
- Q. 母国でも課税される?
- A. 居住国の制度と租税条約の内容によります。二重課税の調整については、両国の税務に詳しい専門家にご相談ください。
SUMIMOTO Hub のアプリは、物件ごとに想定される税・費用を含めた保有シミュレーションを提示します。実際の申告や源泉徴収の運用は、日本の税理士と税務署に必ずご確認ください。税制は改正されることがあるため、判断の際は最新の情報をあわせてご確認ください。
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