金利が上がると不動産投資はどうなる?利回り・融資・物件選びの考え方
東京株式市場は 8 月 5 日の急騰から一転、6 日・7 日と大幅な下落が続き、7 日前場は 65,039 円 16 銭(前日比 644 円 10 銭安)、円相場は 1 ドル 158 円台と、値動きの荒い展開が続いています。こうした局面で増えるのが、賃料という安定した現金流を持つ不動産投資への関心です。
ただし、いま不動産投資を考えるうえで避けて通れないのが「金利」です。本記事では、金利が上がる局面で不動産投資の何が変わるのか、利回りをどう見ればよいのか、融資と物件選びの実務を整理します。
金利が上がると不動産投資の何が変わる?
第一に、借入コストが上がります。ローンで物件を取得する投資では、金利の上昇はそのまま毎月の返済額と総返済額に反映され、手残りの現金流を圧縮します。
第二に、投資家が物件に求める利回りが上がります。安全資産の利回りが上がるほど、リスクを取って不動産を持つ意味が問われるため、一般に価格には下押し圧力、利回りには上昇圧力がかかるとされます。
第三に、借入余力が変わります。金融機関の審査は返済負担率を軸に行われるため、同じ年収でも金利が上がれば借りられる金額は小さくなる傾向があります。
2026 年 8 月上旬の市況(報道ベースの速報値)
- 8/7 日経平均(前場)
- 65,039.16円
- 8/7 昼の円相場(対ドル)
- 158円台
- 8/5 の日経平均上げ幅
- 2,342.91円
前日比 644 円 10 銭安
報道ベースの速報値
直後 2 日で反落、乱高下続く
表面利回りと実質利回りはどう違う?
物件広告に載る「表面利回り」は、年間賃料収入を物件価格で割っただけの数字です。管理費・修繕積立金・固定資産税・空室損・原状回復費などの経費は含まれていません。
投資判断に使うべきは、これらの経費を差し引いた「実質利回り」です。経費率は物件の築年・構造・エリアで大きく変わるため、一般に表面利回りから数ポイント低くなることが多いとされます。さらにローンを使う場合は、金利支払い後にいくら残るかまで確認して初めて比較ができます。
表面利回りと実質利回り(考え方の整理)
| 項目 | 表面利回り | 実質利回り |
|---|---|---|
| 計算のもと | 年間賃料 ÷ 物件価格 | (年間賃料 − 経費)÷(物件価格 + 購入諸費用) |
| 経費の反映 | なし | 管理費・税・空室損などを反映 |
| 広告での扱い | よく使われる | 自分で計算する必要がある |
| 投資判断への適性 | 目安どまり | 判断の基準にする |
融資と金利タイプはどう選ぶ?
変動金利は当初の返済額を抑えられる一方、金利上昇局面では返済額が増えるリスクを負います。固定金利は返済額が読める安心と引き換えに、当初の金利水準は高めになるのが一般的です。
重要なのは、どちらを選ぶにしても「金利が 1〜2% 上がっても現金流が赤字にならないか」をローン期間全体で試算しておくことです。自己資金の厚みは、この耐性を直接高めます。
乱高下の局面で物件はどう選べばいい?
市況が荒れているときほど、賃貸需要の底堅さがものを言います。駅からの距離、生活利便、雇用や大学など人を呼ぶ施設の存在といった、賃料の源泉になる条件を優先するのが定石です。
また、短期の値上がりを前提にせず、保有期間中の現金流だけで成立する計画を組むことが、金利と市況の不確実性への最も確実な備えになります。
よくある漏れと対策
✕表面利回りの高さに惹かれて地方の築古物件を買い、空室と修繕費で現金流が赤字になった。
→空室率と修繕費を織り込んだ実質利回りで比較し、賃貸需要のデータを確認する。
✕変動金利の当初返済額だけで計画を立て、金利上昇後に返済が賃料を上回った。
→金利 +1〜2% のストレス試算をローン全期間で行い、耐えられる借入額に抑える。
✕海外送金の為替を考えず円建てだけで計画し、自国通貨での投資額が想定を大きく超えた。
→自国通貨換算での総投資額を管理し、送金タイミングを分散する。
✕出口(売却)の税負担を考えずに購入し、短期売却で想定外の税率が適用された。
→保有期間で変わる譲渡所得課税を購入前に確認し、保有計画に織り込む。
金利上昇局面の投資判断チェックリスト
- 表面利回りではなく実質利回りで物件を比較した
- 金利が 1〜2% 上がった場合の現金流をローン全期間で試算した
- 空室率・修繕費・原状回復費を計画に織り込んだ
- 賃貸需要(駅距離・生活利便・人口動態)をデータで確認した
- 自国通貨換算での総投資額と為替前提を確認した
- 出口戦略(売却時期・税負担)を購入前に検討した
よくある質問
- Q. 金利が上がる局面では不動産投資はやめるべきですか?
- A. 一概には言えません。金利上昇は借入コストを増やす一方、家賃収入という現金流の価値が相対的に注目される局面でもあります。実質利回りとストレス試算で個別に判断するのが一般的です。
- Q. 表面利回りは何%あれば安心ですか?
- A. 一律の基準はありません。経費率・空室率・金利がエリアと物件で大きく異なるため、表面利回りの高さより、実質利回りと金利上昇時の耐性で判断するのが実務的です。
- Q. 株が荒れているときに不動産を買うのは有利ですか?
- A. 株式市場の短期変動が不動産価格にすぐ反映されることは一般に少なく、「株安だから不動産が安い」とは限りません。物件ごとの実質利回りと需給で判断するのが基本です。
- Q. 海外在住でも日本の投資用ローンは組めますか?
- A. 非居住者向けの融資は取扱金融機関が限られ、自己資金の要件も厚めになる傾向がありますが、選択肢はあります。条件は金融機関ごとに大きく異なるため、複数の機関への確認が実務的です。
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