不動産投資公開日

円安・株高が重なる今は「買い時」?不動産投資、利回りの見極め方

2026年8月12日、日経平均株価は前営業日比553円84銭高の6万7524円06銭で取引を終え、続伸となりました。一方でドル円は同日、157円70銭台からじりじりと円売りが進み、158円40銭付近まで下落しています。株高と円安が同時に進む局面は、海外から日本の不動産投資を検討する読者にとって「今が買い時なのでは」という関心を呼びやすいタイミングです。

ただし、日経平均の値動きと不動産市場の実態は必ずしも連動しません。本記事では、株高・円安という足元の材料を入り口に、日本の収益不動産に投資する際に確認しておきたい利回りの考え方、海外投資家がつまずきやすいポイントを整理します。

日経続伸と円安が同時に進んでいるのはなぜ?

8月12日の東京株式市場では、銀行株を中心に買いが優勢となり、日経平均は続伸しました。一方で為替市場では、日米の金利差などを背景とした円売りの流れが続いており、株高と円安が併存する展開になっています。株式市場の需給と為替の需給は連動する場面もあれば、別々の要因で動く場面もあり、どちらも「不動産市場の先行指標」として単純に読み替えることはできません。

海外投資家にとって円安は、自国通貨換算での取得コストを引き下げる方向に働きやすい材料です。ただし為替は短期間で反転することもあるため、円安の水準だけを根拠に投資判断を急ぐのは避けたいところです。

表面利回りと実質利回りはどう違う?

物件広告に記載されている「表面利回り」は、年間賃料収入を物件価格で割った数字で、管理費・修繕積立金・固定資産税・空室リスクなどのコストは考慮されていません。実際の手取りに近い数字を見るには、これらのコストを差し引いた「実質利回り」(ネット利回りとも呼ばれます)で比較する必要があります。

実質利回りは、想定される空室期間や大規模修繕の負担時期によっても変わります。表面利回りだけを比較して物件を選ぶと、購入後に想定より手取りが少ないと感じるケースが少なくありません。

海外の非居住者が日本で不動産投資をする際のハードルは?

非居住者が日本国内の不動産を購入すること自体に法令上の制限は基本的にありませんが、購入資金の送金や物件の取得は、外国為替及び外国貿易法(外為法)上の報告義務の対象になる場合があります。また、金融機関によっては非居住者向けの融資メニューが限られており、現金一括での購入を求められるケースもあります。

登記手続きについても、日本国内に住所がない場合は登記申請の代理人(司法書士等)を通じるのが実務上一般的です。契約から引き渡しまでのスケジュールは、居住者による取引よりも余裕を持って組んでおくと安心です。

2026年8月12日時点の市況(報道ベース)

日経平均株価(8/12終値)
67,524

前営業日比+553円84銭

ドル円(8/12日中)
158円台

157円70銭台からじりじり円安進行

都心区分マンションの表面利回り目安
2〜4%台

一般的な流通事例をもとにした目安。個別物件で変動

エリアによって利回りの目安はどう違う?

一般に、東京都心の区分マンションは価格が高い分、表面利回りは低めに出やすく、地方中核都市や郊外の一棟物件は利回りが高めに出やすい傾向があるとされます。ただし利回りが高い物件は、空室リスクや将来の賃料下落リスクも相対的に高い場合があるため、利回りの数字だけで優劣を判断せず、エリアの人口動態や賃貸需要もあわせて確認することが大切です。

エリア別の利回り傾向(一般的な整理・個別物件により変動)

エリア類型表面利回りの傾向主な着眼点
東京都心(区分マンション)低め(2%台後半〜4%程度)資産性・流動性の高さ、賃貸需要の安定感
東京郊外・政令指定都市中間(4%台〜6%程度)人口動態、最寄駅からの距離、築年数
地方中核都市・一棟物件高め(6%台以上も)空室リスク、将来の出口(売却)のしやすさ

根拠となる主な法令・制度

外国為替及び外国貿易法(外為法)第55条の5 等
非居住者による対内直接投資等について、一定の要件に該当する場合は財務大臣等への報告が必要となることがあるとされています。個別の該当性は取引内容によって異なります。
不動産登記法 第60条
権利に関する登記の申請は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で行うものとされています。非居住者の場合は代理人(司法書士等)を通じるのが実務上一般的です。
宅地建物取引業法 第35条
不動産の売買契約前に、宅地建物取引士が重要事項説明書に基づき説明を行うことが義務づけられています。海外投資家の場合、通訳・翻訳の手配も含めて事前に確認しておくと安心です。

e-Gov 法令検索

よくある漏れと対策

  • 表面利回りの高さだけで物件を決め、購入後に管理費・修繕積立金の負担で手取りが想定より少なかった。

    購入前に管理費・修繕積立金・固定資産税・想定空室率を差し引いた実質利回りで試算する。

  • 非居住者向けの融資が使えると思い込み、資金計画が崩れた。

    金融機関ごとの非居住者向け融資条件を事前に確認し、現金一括の可能性も資金計画に織り込む。

  • 重要事項説明の内容を十分理解しないまま契約し、想定外の条件に後から気づいた。

    宅建士による重要事項説明を、必要であれば通訳・翻訳を交えて内容を確認してから契約に進む。

  • 為替の含み益だけを見て、出口(売却)のタイミングを検討していなかった。

    購入時点で複数の出口シナリオ(賃貸継続・売却)と、それぞれの為替感応度を整理しておく。

投資判断前チェックリスト

  • 表面利回りと実質利回りの両方を試算した
  • 管理費・修繕積立金・固定資産税など保有コストを確認した
  • エリアの人口動態・賃貸需要データを確認した
  • 非居住者向け融資の可否・条件を金融機関に確認した
  • 登記手続きを代理する司法書士を確保した
  • 重要事項説明の内容を通訳・翻訳込みで理解した
  • 出口(売却)シナリオを複数想定した

よくある質問

Q. 非居住者でも日本の不動産投資ローンは組めますか?
A. 金融機関により対応は分かれます。非居住者向けメニューを用意する金融機関もありますが、条件が限定的だったり現金一括を求められたりするケースもあるため、個別に確認が必要です。
Q. 円安が進んでいる今のうちに購入すべきですか?
A. 円安は取得コストを引き下げる方向に働きやすい材料ですが、為替は短期間で反転することもあります。利回りや賃貸需要など物件そのものの実力を優先して判断することをおすすめします。
Q. 表面利回りが高い物件を選べば安心ですか?
A. 必ずしもそうとは言えません。利回りが高い物件は空室リスクや将来の賃料下落リスクが相対的に高い場合があり、エリアの需要動向とあわせた確認が必要です。
Q. 現地に行かずに物件を購入することはできますか?
A. 代理人を通じて手続きを進めることは可能ですが、重要事項説明の理解や契約内容の確認は特に慎重に行う必要があります。オンラインでの内見・説明に対応する事業者を選ぶのも一つの方法です。

SUMIMOTO Hub のアプリでは、AI 査定機能でエリアの取引事例や利回りの目安を多言語で確認でき、24時間対応の AI アドバイザーが表面利回り・実質利回りの考え方や必要書類について質問に答えます。実際の融資条件や税務・法務の最終判断は、金融機関・司法書士・税理士など有資格の専門家に確認することをおすすめします。

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