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中古住宅のインスペクションは義務?既存住宅を安心して買うための確認ポイント

中古住宅を検討していると、「インスペクションを受けたほうがいいのか」「そもそも義務なのか」という疑問に行き当たります。結論から言うと、インスペクション自体の実施は法律上の義務ではありませんが、不動産会社が仲介する際にその利用をあっせんできるかどうかを説明することは、宅地建物取引業法上の義務とされています。何が義務で、何が任意なのかを整理しておくと、内見から契約までの流れで迷いにくくなります。

本記事では、既存住宅(中古住宅)を購入する際にインスペクションがどう位置づけられているか、重要事項説明・契約時にどこを確認すべきか、そして実際に依頼する場合の費用感や注意点を整理します。

インスペクションは義務?任意?宅建業法が定めていること

2018年4月に施行された改正宅地建物取引業法により、媒介契約を結ぶ際、不動産会社は既存住宅状況調査(インスペクション)を実施する者をあっせんできるかどうかを説明する義務を負うとされています。あっせんの可否を説明するだけであり、調査そのものを受けるかどうかは売主・買主の判断に委ねられています。

すでにインスペクションが実施されている物件については、重要事項説明の際にその結果の概要を告知する義務があるとされています。実施していない物件を選んだ場合でも購入自体に法律上の支障はありませんが、後から「知らなかった」と主張しにくくなる点は意識しておく価値があります。

重要事項説明・37条書面で実際に何を確認する?

契約前に交付される重要事項説明書には、インスペクションの実施の有無と、実施している場合はその結果の概要が記載されるとされています。契約成立時に交付される書面(37条書面)にも、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について売主・買主双方が確認した事項を記載するとされています。

この2つの書面を見比べることで、「調査済みで問題が見つからなかったのか」「そもそも調査していないのか」「調査した上で気になる点が指摘されているのか」を切り分けられます。

自分でインスペクションを依頼する場合、何を見てもらう?

売主側が調査を実施していない場合、買主が自己負担で第三者機関に依頼することもできます。一般的な木造戸建てのインスペクションでは、雨漏り跡・基礎のひび割れ・柱や梁の傾き・給排水管の状態などが、目視や機器を使って確認される項目とされています。

費用は延床面積や調査項目の範囲によって幅がありますが、目安として数万円台からとされています。具体的な金額は、依頼する業者の見積もりで確認してください。

既存住宅売買瑕疵保険という選択肢もある

インスペクションの結果、一定の基準を満たした住宅は、既存住宅売買瑕疵保険に加入できる場合があります。この保険は、引き渡し後に構造耐力上主要な部分等に瑕疵が見つかった場合の補修費用等をカバーする仕組みとされ、保険法人による検査に合格していることが加入の前提になります。

保険付保物件であることは、住宅ローン控除の築年数要件を満たしていない中古住宅でも、一定の税制優遇を受けられる根拠になる場合があるとされています。詳細は税理士等の専門家に確認することをおすすめします。

インスペクションを検討するときに押さえておきたい数字

改正宅建業法の施行時期
2018年4月

あっせん可否の説明等を義務化

確認すべき書面
3種類

媒介契約書・重要事項説明書・37条書面

木造戸建てインスペクション費用の目安
数万円台〜

延床面積・調査範囲で変動

根拠となる法令

宅地建物取引業法 第34条の2
媒介契約を締結する際、既存住宅状況調査(インスペクション)を実施する者のあっせんの有無を説明・記載する義務を定めているとされています。
宅地建物取引業法 第35条(重要事項説明)
既存住宅状況調査を実施している場合、その結果の概要を重要事項として説明する義務を定めているとされています。
宅地建物取引業法 第37条(書面の交付)
契約成立時に交付する書面に、建物の構造耐力上主要な部分等の状況について当事者双方が確認した事項を記載するとされています。

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インスペクション実施の有無で何が変わる?

実施した場合実施しなかった場合
重要事項説明書の記載調査結果の概要を記載「未実施」である旨を記載
既存住宅売買瑕疵保険加入できる可能性がある(基準適合が前提)加入できないことがある
購入後のトラブル対応事前の合意事項として参照しやすい状態の認識違いが生じやすい

よくある漏れと対策

  • インスペクションを受けたと聞いて安心し、報告書の内容を自分では確認しなかった。

    報告書に記載された指摘事項と、それが修繕済みか未対応かを売主・仲介会社に必ず確認する。

  • 重要事項説明書の「未実施」の記載を見落とし、調査済み物件だと思い込んでいた。

    契約前に重要事項説明書のインスペクション欄を必ず自分の目で確認する。

  • インスペクションの結果に指摘事項があったのに、価格交渉の材料にできることを知らなかった。

    指摘事項の補修費用の見積もりを取り、価格や引渡し条件の交渉材料として提示する。

  • 既存住宅売買瑕疵保険への加入可否を確認せず契約し、住宅ローン控除の要件を満たせなかった。

    築年数要件を満たさない物件は、瑕疵保険への加入可否を契約前に確認する。

中古住宅購入前の確認チェックリスト

  • 重要事項説明書のインスペクション実施欄を確認した
  • 実施済みの場合、調査報告書の指摘事項を自分の目で確認した
  • 未実施の場合、自己負担での依頼が可能か仲介会社に相談した
  • 既存住宅売買瑕疵保険への加入可否を確認した
  • 37条書面に記載される確認事項の範囲を把握した
  • 指摘事項がある場合、価格や引渡し条件の交渉材料にできるか検討した

よくある質問

Q. インスペクションを受けないと住宅ローンが組めない?
A. インスペクションの実施自体はローン審査の必須条件ではないのが一般的です。ただし住宅ローン控除など一部の税制優遇では、既存住宅売買瑕疵保険への加入や耐震基準の証明が要件になる場合があるため、事前に確認しておくと安心です。
Q. インスペクションの費用は誰が負担する?
A. 売主が事前に実施している場合は売主負担であることが一般的ですが、買主が追加で依頼する場合は買主負担になるのが通常です。契約前に仲介会社に確認することをおすすめします。
Q. インスペクションで問題が見つかったら契約を解除できる?
A. 契約内容や特約の定め方によります。契約前の調査で指摘事項が見つかった場合は、契約条件の交渉材料にする、あるいは契約自体を見送るという判断につながることもあります。契約後に問題が判明した場合の扱いは、契約書の契約不適合責任に関する条項によって異なります。
Q. 新築住宅にはインスペクションは関係ない?
A. 宅建業法上のインスペクション関連の説明義務は既存住宅(中古住宅)が対象とされています。新築住宅には別途、住宅瑕疵担保履行法に基づく保険・供託の仕組みがあります。

SUMIMOTO Hubのアプリでは、24時間対応のAIアドバイザーが、重要事項説明書やインスペクション報告書のどこを見ればいいかを多言語で整理します。もっとも、報告書の技術的な内容の評価や契約条件の最終判断については、建築士や宅地建物取引士など有資格の専門家に確認することをおすすめします。

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