初期費用はいくらかかる?日本の賃貸で必要なお金の内訳と抑え方
日本で部屋を借りるとき、多くの人が驚くのが「初期費用」の総額です。家賃そのものより先に、敷金・礼金・仲介手数料・保証料・火災保険料・鍵交換費用など、複数の項目をまとめて用意する必要があります。
費用の名前だけを見ても、どれが返ってくるお金で、どれが返ってこないお金なのか分かりにくいのが実情です。本記事では、初期費用の内訳と、それぞれの性質、外国籍の方が契約時に特に確認しておきたい点を整理します。
初期費用にはどんな項目がある?
一般的な賃貸契約では、敷金・礼金・仲介手数料・保証料・火災保険料(家財保険料)・鍵交換費用・前家賃(日割り家賃を含む)が代表的な項目とされます。すべてが必須というわけではなく、物件や地域の慣習によって有無や金額が変わります。
目安として、これらを合計すると家賃の4〜6ヶ月分程度になることが多いとされますが、「敷金・礼金ゼロ」を掲げる物件など、内訳や合計額は物件ごとに差があります。
敷金と礼金、何が違う?
敷金は、家賃の滞納や退去時の原状回復費用に充てるために、貸主が借主から預かるお金とされます。退去時に未払い家賃や原状回復費用を差し引いた残額は、借主に返還されるのが原則です。
一方、礼金は契約時に貸主へ支払う一時金で、性質上、退去時に返還されないのが一般的とされます。地域や物件によって、礼金の有無・金額の慣習が異なります。
初期費用の目安(家賃を基準とした一般的な範囲)
- 敷金
- 1〜2ヶ月分
- 礼金
- 0〜2ヶ月分
- 仲介手数料
- 0.5〜1ヶ月分+税
- 初期費用合計の目安
- 4〜6ヶ月分
退去時、原則として一部・全部が返還される
返還されないのが一般的
宅建業法上の上限あり
物件・地域により幅がある
保証会社の保証料は必ず必要?
連帯保証人を用意できない場合や、貸主が保証会社の利用を条件としている場合、保証会社と契約し保証料を支払うのが一般的になっています。保証料の水準は保証会社・プランによって異なり、契約時に月家賃の50%前後を一括で支払うプランや、年額で更新料が発生するプランなど、設計はさまざまです。
外国籍の方の場合、在留資格の種類や在留期間によって、審査基準が保証会社ごとに異なることがあります。契約前に、自分の在留資格で利用できる保証会社かどうかを不動産会社に確認しておくと安心です。
火災保険(家財保険)は自分で選べる?
賃貸契約では、火災保険(借家人賠償責任保険を含む家財保険)への加入を契約条件としている物件が一般的です。法律上の強制ではありませんが、貸主・管理会社が指定する保険への加入を求められることが多いとされます。
保険料の目安は2年契約で15,000〜20,000円程度とされることが多いものの、補償内容によって幅があります。指定の保険への加入が契約条件になっている場合でも、補償内容について不明点があれば、契約前に確認しておくことをおすすめします。
関連する主な法令
- 民法 第622条の2
- 賃貸借契約終了時、敷金は未払い賃料等を差し引いた残額を貸主が借主に返還する義務を負うとされています。敷金の性質を理解するうえでの基本となる条文です。
- 宅地建物取引業法 第46条
- 宅地建物取引業者が受け取れる仲介手数料には上限(原則として貸主・借主合計で家賃の1ヶ月分+消費税相当額)が定められているとされます。
- 消費者契約法 第10条
- 消費者に一方的に不利な契約条項は無効とされる場合があります。原状回復費用の負担範囲などに疑問がある場合、確認の材料になります。
初期費用の主な項目と性質
| 項目 | 一般的な性質 | 返還の有無 |
|---|---|---|
| 敷金 | 家賃滞納・原状回復費用の担保 | 原則、差引後の残額を返還 |
| 礼金 | 貸主への謝礼的な一時金 | 返還されないのが一般的 |
| 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬 | 返還なし |
| 保証料 | 保証会社の保証契約の対価 | 返還なし(プランによる) |
| 火災保険料 | 火災・借家人賠償等の補償 | 返還なし(保険期間分) |
よくある漏れと対策
✕「敷金・礼金ゼロ」の広告だけを見て契約し、退去時に想定外の実費クリーニング費用を請求された。
→契約前に原状回復・退去費用に関する条項を確認し、総額で他物件と比較する。
✕自分の在留資格で保証会社の審査に通るかを確認せず、契約直前になって保証会社の利用を断られた。
→内見・申込みの段階で、不動産会社に自分の在留資格で利用できる保証会社があるかを確認する。
✕火災保険の補償内容を確認せず、指定された保険にそのまま加入した。
→補償範囲(借家人賠償責任特約の有無など)を契約前に確認し、疑問があれば不動産会社や保険会社に質問する。
✕礼金は返還されないことを知らずに、退去時に敷金と同様に戻ってくると思い込んでいた。
→契約前に、どの費用が返還対象で、どの費用が返還対象外かを見積書で確認する。
契約前に確認したいこと
- 敷金・礼金・仲介手数料・保証料・火災保険料・鍵交換費用のそれぞれの金額を見積書で確認した
- 初期費用の合計額を、家賃の何ヶ月分にあたるか計算した
- 自分の在留資格で利用できる保証会社があるかを確認した
- 火災保険の補償内容と、自分で選べるかどうかを確認した
- 原状回復・退去時費用に関する契約条項を確認した
- 礼金・保証料など、返還されない費用の項目を把握した
よくある質問
- Q. 初期費用はクレジットカードで支払えますか?
- A. 物件・不動産会社によって対応が異なります。分割払いや後払いサービスに対応する会社もあるため、契約前に確認するとよいでしょう。
- Q. 敷金はいつ返還されますか?
- A. 退去後、原状回復費用等を差し引いた金額が、契約書に定めた期日(目安として退去後1ヶ月前後とされることが多い)までに返還されるのが一般的です。
- Q. 保証会社を使わず、連帯保証人だけで契約できますか?
- A. 物件によります。保証会社の利用を契約条件としている物件も多いため、内見時に確認しておくと安心です。
- Q. 礼金がない物件は家賃が高めに設定されていますか?
- A. 必ずしもそうとは限りません。ただし、初期費用が低い分、月々の家賃や他の費用でバランスを取っている物件もあるため、総額での比較をおすすめします。
SUMIMOTO Hub のアプリでは、24時間対応のAIアドバイザーが、初期費用の見積書の読み方や、保証会社ごとの一般的な審査傾向を多言語で解説します。契約条件は物件・会社によって異なるため、最終的な判断は不動産会社や、必要に応じて行政書士など有資格の専門家にご確認ください。
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