台風が多い年の物件選びは?投資前に確認したい水害リスクと保険の見方
10月5日には台風28号と29号が発生し、27号と合わせて3つの台風が同時に存在する状況になりました(tenki.jp)。年間28個以上の発生は2019年以来7年ぶりとされ、台風が多い年は、収益物件の水害リスクがいつも以上に気になるところです。
この記事では、物件を買う前に確認したい水害リスクの種類、ハザードマップと重要事項説明の関係、火災保険の水災補償の見方を整理します。法令や保険の内容は改正・改定されることがあるため、最終判断の前に宅地建物取引士や保険の専門家などにご確認ください。
台風が多い年、投資物件の水害リスクはどう考える?
水害リスクは、建物の古さや間取りと違って、物件の立地でほぼ決まります。家賃収入が安定していても、浸水した場合は修繕費・空室期間・保険料の上昇などで、想定した利回りが大きく崩れることがあります。
「過去に浸水していないから大丈夫」とは言い切れない点にも注意が必要です。近年は短時間の大雨が増えているとされ、これまで被害のなかった場所でも、河川の増水や排水の限界で浸水する例が報告されています。
今年の台風をめぐる数字(tenki.jp、10月5日時点)
- 同時に発生中の台風
- 3個
- 年間の発生数
- 28個以上
- 1〜10月の毎月に発生
- 10か月
27号・28号・29号
2019年以来7年ぶり
1951年以降で3回目
ハザードマップでは、何をどこまで確認できる?
ハザードマップは、国土交通省の「重ねるハザードマップ」や市区町村の公開資料で確認できます。洪水・内水・高潮・土砂災害など、リスクの種類ごとに見る資料が異なるため、一つのマップだけで安心しないことが大切です。
浸水の主な種類と確認先(一般的な目安)
| 浸水の種類 | どんな状況か | 主な確認先 |
|---|---|---|
| 外水氾濫 | 河川の水があふれる、または堤防が壊れる | 洪水ハザードマップ(浸水想定区域・想定浸水深) |
| 内水氾濫 | 排水が追いつかず、市街地が冠水する | 内水ハザードマップ・下水道の整備状況 |
| 高潮 | 台風による海面上昇で沿岸部が浸水する | 高潮ハザードマップ・海岸からの距離 |
重要事項説明では、水害リスクの何が説明される?
宅地建物取引業者は、契約前の重要事項説明の中で、水害ハザードマップ上の物件の所在地を説明することが求められています。ただし、説明されるのは「マップ上の位置」であり、購入判断に必要な詳しい分析までが含まれるとは限りません。
根拠となる法令
- 宅地建物取引業法 第35条
- 宅地建物取引業者は、契約成立前に重要事項を書面で説明する必要があるとされています。
- 同法施行規則 第16条の4の3 第3号の2
- 水防法に基づく水害ハザードマップにおける物件の所在地を、重要事項として説明する旨が定められているとされています。
- 水防法 第15条 第3項
- 市町村が、浸水想定区域ごとに避難に必要な事項を記載した資料(ハザードマップ)を作成し、周知する仕組みを定めているとされています。
火災保険の「水災補償」は、付けておけば安心?
火災保険は、契約内容によって水災が補償の対象になるかどうかが異なります。水災補償を付けない契約を選ぶこともできるため、「保険に入っているから大丈夫」と思い込まず、補償範囲と支払条件を確認することが重要です。
水災補償では、一般に、損害の割合や床上浸水などの条件を満たした場合に保険金が支払われる仕組みが多いとされています。免責金額や支払割合、家財を含めるかどうかも保険会社・商品によって異なるため、購入前に見積りを取って比較すると安心です。
よくある漏れと対策
✕ハザードマップの浸水想定区域外だからと、水災補償を外して契約した。
→内水・高潮など別のリスクも確認し、保険会社へ補償の対象と条件を問い合わせる。
✕洪水マップだけを見て、内水や高潮のマップを確認していなかった。
→リスクの種類ごとに、市区町村の複数のマップを重ねて確認する。
✕物件が浸水した場合の空室期間と修繕費を、利回りの試算に入れていなかった。
→被害が出た場合の想定コストと空室期間を、保守的な前提で試算に加える。
✕海外在住のまま購入し、被害時の連絡や手配を任せる先が決まっていなかった。
→管理会社と、被害時の連絡・立会い・修繕手配の分担を契約前に確認する。
水害リスクの購入前チェックリスト
- 重ねるハザードマップで、洪水・内水・高潮・土砂災害を確認した
- 想定浸水深と、電気設備・給湯器の位置を確認した
- 重要事項説明で、水害ハザードマップ上の所在地の説明を受けた
- 火災保険の水災補償の有無・免責金額・支払条件を確認した
- 浸水時の修繕費と空室期間を、利回りの試算に加えた
- 管理会社の被害時の連絡・対応体制を確認した
よくある質問
- Q. ハザードマップで浸水想定区域外なら、水害は心配ない?
- A. マップは想定に基づくもので、想定を超える降雨や内水氾濫による浸水が起きることもあります。区域外でも、複数のマップと保険の補償を確認すると安心です。
- Q. 水災補償は、付けないほうが保険料を抑えられる?
- A. 一般に保険料は下がるとされていますが、浸水した場合は自己負担になります。物件の立地と想定リスクを見て、専門家と相談して決めてください。
- Q. 中古の収益物件も、過去の浸水履歴を調べられる?
- A. 売主や管理会社へ過去の被害の有無を確認できます。重要事項説明で把握できる範囲には限りがあるため、自治体の資料なども合わせて確認してください。
- Q. 外国人でも、火災保険に加入できる?
- A. 国籍で一律に制限されるとは限りませんが、加入条件は保険会社により異なります。見積りの段階で確認してください。
SUMIMOTO Hub のアプリでは、24 時間対応の AI アドバイザーが、ハザードマップの見方や重要事項説明で確認すべき点、火災保険の水災補償の考え方を多言語で解説します。あわせて、最終判断の前には宅地建物取引士や保険の専門家への確認をおすすめします。
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