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修繕積立金が突然上がる?築古区分マンション投資で利回りを削る固定費

9月29日、総務省は2025年10月の国勢調査の確定値を公表しました。総人口は約1億2297万人で、2020年比で2.5%減、人口が増えたのは東京のみと報じられています。人口の流れは、投資エリアの需要を左右します。だからこそ、購入後にじわじわ効いてくる固定費も含めて、収益を見積もる視点が欠かせません。

区分マンション投資で「表面利回り5%台」の物件を見つけても、購入後に毎月の管理費・修繕積立金が上がり、手元に残る収益が想定より細っていく——築古物件では珍しくない話です。結論から言うと、管理費と修繕積立金は家賃の額とは無関係に決まる固定費であり、修繕積立金は建物の老朽化に合わせて段階的に引き上げられる計画になっていることが多く、実質利回りを大きく左右します。

この記事では、管理費と修繕積立金の違い、積立金が上がる理由、増額されたときの実質利回りの試算、そして購入前に確認したい書類と関連条文を整理します。数値は説明用の仮定例で、実際の金額や手続は物件・管理組合ごとに異なります。最終判断の前に、必ず管理会社や有資格の専門家へ確認してください。

管理費と修繕積立金は何が違う?

管理費は、エントランスや廊下の清掃、エレベーターの保守点検、管理員の人件費、共用部分の電気代など、日常の維持管理に使われる費用です。一方、修繕積立金は、外壁塗装や屋上防水、給排水管の更新といった将来の大規模修繕に備えて積み立てる費用で、使途が分かれています。どちらも区分所有者が毎月支払い、賃貸に出していても支払い義務は所有者にあります。

投資家の目線で大切なのは、この二つが空室でも発生する点です。家賃が入らない月でも管理費と修繕積立金は毎月かかるため、空室期間が長いほど収支への影響は大きくなります。

修繕積立金はなぜ上がる?

修繕積立金の設定方法には、当初から一定額を積み立てる「均等積立方式」と、最初は低めに設定して段階的に引き上げる「段階増額積立方式」があります。新築時に月額を低く見せるため後者が採られることも多く、築年数が進むにつれて増額されるのは、計画上あらかじめ織り込まれていることが一般的です。

築古になると、資材費や人件費の上昇、想定より早い劣化、積立金不足による一時金徴収などをきっかけに、管理組合の総会で増額が決議されることがあります。増額は総会の決議で決まるため、一区分の所有者が単独で拒否することは難しい、という点を前提に収支を考えておく必要があります。

試算例(購入価格2,000万円・年間家賃108万円と仮定)

表面利回り
5.4%

年間家賃 ÷ 購入価格

実質利回り(現状の積立金)
3.8%

管理費・積立金・固定資産税等を差し引き

実質利回り(積立金増額後)
2.9%

月額1.0万円→2.5万円と仮定

年間の負担増
18万円

月額1.5万円 × 12か月

積立金が増額されると利回りはどう変わる?

次の試算は、購入価格2,000万円、月額家賃9万円(年間108万円)、管理費月1.0万円、修繕積立金月1.0万円、固定資産税・都市計画税年8万円と仮定したものです。空室損、管理委託料、仲介手数料、所得税などは含めていないため、実際の手取りはこれより少なくなる点にご注意ください。

積立金の増額前後の比較(仮定例・単位:万円)

項目増額前増額後(積立金月2.5万円)
年間家賃収入108108
管理費・修繕積立金(年間)2442
固定資産税・都市計画税(年間)88
年間純収益7658
実質利回り(対購入価格)3.8%2.9%

積立金の増額だけで、実質利回りが3.8%から2.9%へ約0.9ポイント下がる計算です。表面利回りが変わらなくても、固定費の変化で投資の採算が大きく動くことが分かります。

関連する法令・指針

建物の区分所有等に関する法律 第7条
管理費や修繕積立金など、管理組合が区分所有者に対して持つ債権には、先取特権が認められているとされています。
同法 第8条
共用部分等についての債権は、区分所有者の特定承継人(購入者など)に対しても請求できるとされ、前の所有者の滞納が買主に及ぶ可能性があります。
同法 第18条
共用部分の管理に関する事項は、原則として集会(総会)の決議で決めるとされています。
マンションの修繕積立金に関するガイドライン(国土交通省)
長期修繕計画に基づく積立金の設定の考え方や、積立方式ごとの特徴を示した指針です。

e-Gov 法令検索

買う前に何を確認すればいい?

購入前には、重要事項説明書に記載される管理費・修繕積立金の現在額と滞納の有無、長期修繕計画の内容、修繕積立金の残高、直近の総会議事録を確認するのが基本です。特に長期修繕計画で将来の増額がどの時点で予定されているか、積立金残高が計画に対して足りているかが判断材料になります。

よくある漏れと対策

  • ✕購入時の積立金額だけで利回りを計算し、数年後の増額を織り込んでいなかった。

    →長期修繕計画で将来の増額予定を確認し、増額後の金額でも収支が成り立つか試算する。

  • ✕積立金残高が少ないマンションで、大規模修繕の際に一時金を求められた。

    →修繕積立金の残高と、次回の大規模修繕の時期・予定費用を事前に確認する。

  • ✕空室期間中も管理費・積立金がかかることを収支に入れていなかった。

    →空室が数か月続いても資金繰りが回るよう、固定費ベースで手元資金を確保する。

  • ✕総会議事録を読まず、修繕をめぐる住民間の対立を見逃した。

    →直近2〜3年分の議事録を確認し、増額や修繕の議論の有無をつかむ。

購入前チェックリスト

  • 管理費・修繕積立金の現在額と過去の改定履歴を確認した
  • 長期修繕計画で将来の積立金増額の予定時期を確認した
  • 修繕積立金の残高が計画に対して十分か確認した
  • 滞納の有無を管理会社に書面で確認した
  • 直近の総会議事録で修繕・増額の議論を確認した
  • 増額後の金額で実質利回りを再計算した

よくある質問

Q. 修繕積立金は投資の経費にできる?
A. 賃貸物件として区分所有マンションを貸している場合、管理費や修繕積立金の扱いは税務上の判断が絡みます。一般に、管理費は必要経費とされる一方、修繕積立金は支出の性質により扱いが分かれるとされるため、税理士への確認をおすすめします。
Q. 積立金の増額に反対できる?
A. 増額は総会の決議で決まるため、所有者が単独で拒否することは難しいのが一般的です。総会に出席・議決権行使をして意見を述べることは可能です。
Q. 築年数が古いほど積立金は高い?
A. 一般に築年数が進むほど大規模修繕の負担が増えるため高くなる傾向がありますが、積立方式や修繕履歴によって差があるため、物件ごとに確認が必要です。
Q. 一時金を求められたら?
A. 積立金が不足した場合に、総会決議で一時金が徴収されることがあります。購入前に積立金残高と次回修繕計画を確認しておくと、リスクを見積もりやすくなります。

SUMIMOTO Hub のアプリでは、24 時間対応の AI アドバイザーが、物件の管理費・修繕積立金を踏まえた実質利回りの考え方や、重要事項説明書の読み方を多言語で解説します。最終的な判断の前には、有資格の専門家への確認もあわせてお勧めします。

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