重要事項説明は何を確認する?契約前に読むべき書面とオンライン説明の注意点
日本で不動産を購入するとき、売買契約の前に必ず「重要事項説明」を受けます。専門用語が多く、海外在住で日本語に不安のある買主ほど、その場で内容を判断するのは簡単ではありません。
本記事では、重要事項説明の役割と主な説明事項、契約書との違い、オンライン(IT重説)で受けるときの注意点を整理します。
重要事項説明とは何?いつ受ける?
重要事項説明は、宅地建物取引業法(宅建業法)第35条に基づき、宅地建物取引士が買主に対して、契約を結ぶ「前」に書面(重要事項説明書、いわゆる35条書面)を交付して行う説明です。物件や取引条件について、買主が判断するための情報を事前に開示する仕組みです。
説明は、宅地建物取引士が取引士証を提示したうえで行うこととされています。実務上は、説明の数日前までに説明書の案を受け取っておくと、翻訳や専門家への確認の時間を確保しやすくなります。
どんな項目が説明される?
説明事項は、登記された権利関係、都市計画法・建築基準法などの法令上の制限、私道負担の有無、水道・電気・ガス・排水の整備状況など、物件そのものに関する事項が中心です。あわせて、代金以外に授受される金銭、手付金の保全措置、住宅ローンが不成立のときの扱い、契約の解除や損害賠償額の予定なども含まれます。
中古住宅の場合は、建物状況調査(インスペクション)の実施の有無とその結果の概要、水害ハザードマップ上の物件の所在地なども説明の対象とされています。引渡し後のトラブルにつながりやすい項目なので、特に丁寧に読み込みたい部分です。
押さえておきたい数字
- 契約に関わる主な書面
- 2種類
- 重要事項説明の根拠
- 35条
- 売買のIT重説の本格運用
- 2021年
35条書面(契約前)と37条書面(契約後)
宅建業法第35条
国土交通省の運用開始時期(要確認)
契約書(37条書面)とは何が違う?
重要事項説明書は、契約を結ぶかどうかを判断するための「説明資料」です。一方、売買契約書は、合意した内容を確定させる書面で、宅建業法第37条により、契約成立後に遅滞なく交付される書面(37条書面)にも当たります。
重要事項説明の段階で疑問が残っているのに、契約日が近いからと流れで署名してしまうのは避けたいところです。説明書と契約書の内容に食い違いがないかも、契約前に見比べておくと安心です。
根拠となる法令
- 宅地建物取引業法 第35条
- 宅地建物取引士が、契約が成立するまでの間に、買主に対して重要事項を書面で交付して説明するものとされています。
- 宅地建物取引業法 第37条
- 契約が成立したときに、遅滞なく、契約内容を記載した書面を交付するものとされています。
- 宅地建物取引業法施行規則 第16条の4の3
- 重要事項として説明する事項の細目(水害ハザードマップ上の所在地など)が定められているとされています。
海外からオンラインで受けるときの注意点は?
IT重説は、ビデオ通話を使って重要事項説明を受ける方法です。買主が承諾すれば、海外からでも受けられるのが一般的とされています。事前に説明書が電子データまたは郵送で届くよう手配し、通信環境と通訳の有無を確認しておくことが大切です。
説明を聞くだけで終わらせず、分からない点はその場で質問し、回答を記録に残しましょう。録画の可否や質問の記録方法も、事前に不動産会社へ確認しておくと安心です。
対面とIT重説の違い(一般的な整理)
| 項目 | 対面 | IT重説(オンライン) |
|---|---|---|
| 説明の主体 | 宅地建物取引士 | 宅地建物取引士 |
| 書面の受け取り | その場で受領 | 事前に電子データ・郵送で受領 |
| 買主の事前準備 | 日程調整 | 通信環境・資料の事前確認・買主の承諾 |
よくある漏れと対策
✕説明を当日初めて聞き、内容を理解しないまま契約日を迎えた。
→説明書の案を事前に受け取り、翻訳や専門家のチェックを経てから説明に臨む。
✕建物状況調査の有無や結果の記載を読み飛ばし、引渡し後に不具合が判明した。
→中古住宅では調査の実施有無・結果概要・ハザードマップの記載を重点的に確認する。
✕ローン特約の期限を確認せず、審査が長引いて特約が使えなくなった。
→ローン不成立時の解除の条件と期限を、説明書と契約書の両方で確認する。
重要事項説明の前後チェックリスト
- 説明書の案を事前に受け取った
- 登記上の権利関係と私道負担の有無を確認した
- 法令上の制限と用途地域を確認した
- 手付金の保全措置とローン不成立時の扱いを確認した
- 建物状況調査とハザードマップの記載を確認した
- 説明書と契約書の内容に食い違いがないか見比べた
よくある質問
- Q. 重要事項説明は誰が行う?
- A. 宅地建物取引士が行うこととされています。営業担当者であっても、取引士の資格がなければ説明できません。
- Q. 説明を聞いたら契約しなければならない?
- A. いいえ。説明は契約の判断材料を得るためのもので、聞いただけで契約が成立するわけではありません。
- Q. 日本語が不安でも受けられる?
- A. 説明自体は日本語で行われるのが一般的です。通訳の同席や、書面の事前翻訳を準備するかどうかを、早めに不動産会社と相談しておくとよいでしょう。
SUMIMOTO Hub のアプリでは、24時間対応のAIアドバイザーが、重要事項説明書の用語や読み方を多言語で解説します。最終的な判断の前に、有資格の専門家へも確認してください。
日本の不動産購入の流れを相談したい方へ
サービス資料をお送りします。
無料・1分で完了